椎間板ヘルニア

獣医師の伊藤です。今回のトピックスは
ワンちゃんの「椎間板ヘルニア」についてです

「椎間板ヘルニア」とは
首、背骨や腰骨など椎骨の継ぎ目部分でクッションのような役割をする組織の椎間板が何らかの原因でずれてしまい、脊髄神経を圧迫している状態の病気です。
場所や程度により症状は異なりますが、激しい痛みの他、肢に麻痺が起こったり、歩行困難や排泄障害を起こしたりします。

椎間板ヘルニアの要因は、一般的には加齢によるものや、遺伝的要因のもの(軟骨異栄養症の遺伝子を持っている犬)などがあります。ダックスフンドやコーギーなど、胴長の犬種の他、フレンチブルドック、ビーグルなどの犬種が多いようです。若齢で発症することもあります。
椎間板ヘルニアの予防やケアの注意点としては、まず子犬の時期からバランスの良い食事と適度な運動でしっかりした身体を作ることが大切です。また、肥満体型で過体重だったり、痩せすぎで骨格を支える筋肉量が不足していると関節に負担がかかり病気の原因にもなります。標準体型を維持することも大切になります。ケースによっては食事指導が必要になる場合もあります。加えて日常生活ではスリップによる発症防止のために足裏のケアを行い、合わせて無理な姿勢からの急な動きや着地などにも気をつけることが大切です。

治療方法は、症状の程度や進行状況によって選択しています。軽い麻痺の場合は内科療法で注射や内服薬、サプリメントで回復を目指します(現在は非常に有効な関節用のサプリメントがあります)。繰り返しの発症や進行早い重症例の場合には外科手術が適応になることがあります。手術は当院で行っています。この場合手術までの期間が開いたり、神経障害の程度によっては軽度の麻痺が残るようなこともあります。治療法は症状、経過、進行状況により変わりますので適応については診療時にご相談ください。術後のリハビリはご家庭で行っていただくことがメインになりますが通院で行うこともあります。

術後管理やリハビリを含め、椎間板ヘルニアの治療はオーナーさんのサポートが不可欠になります。また、早めに対策をすることで進行を遅らせることもできるので、もしもお気付きのことがありましたらご相談ください。

(ITO) 20190616

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アリス動物病院(川越市・動物病院)

子宮蓄膿症

今回は子宮蓄膿症についてお話させていただきます。
子宮蓄膿症とは、子宮内に大腸菌などの細菌が感染することで膿が溜まる病気で、さまざまな症状を引き起こします。子宮の細菌感染は、女性ホルモンの影響を受けやすく、避妊手術をしていない中高齢以降での発症が多くなります(もちろん若齢でも発症することがあります)。動物種では比較的犬に多く見られる傾向があります。
比較的発症の多いワンちゃんの症状の特徴は、

1)異常な血液や膿が外陰部から出る。(出ない場合ともあります)
2)水をよく飲む。
3)生理周期の乱れ、外陰部が腫れている。
4)食欲の低下
5)目の充血がある。
これらのいくつかがあれば要注意です。発情期終了の1か月後に発症することが比較的あります。

病気が進行すると元気や食欲がなくなったり、吐き気下痢、多飲多尿といった症状が見られ、重症になると細菌感染によるショックや内臓障害を起こし、死に至ることがあります。
子宮蓄膿症の最適な治療は、外科的に蓄膿した卵巣子宮を摘出手術をすることです。健康状態によりすぐに手術ができない場合や手術期間の管理が必要な場合はさらに抗生物質や点滴などのしっかりとした治療管理が必要になります。
予防は出産を希望されないのであれば、リスクの少ない若いうちに避妊手術をすることが効果的です。
避妊手術は蓄膿症以外にも、子宮や乳腺の腫瘍や病気を防ぐことにも効果的です。(詳しくは「避妊去勢」の記事(下記リバイバル記事)も併せてご覧ください。

陰部からの異常な分泌物や多飲多尿などの異常がみられた場合は、早めに当院にご相談ください。

(ITO)

(リバイバル記事)

不妊手術について少しお話しさせていただきます

不妊手術のメリットは、まず何といっても、望まない繁殖の防止ですね👐
次に、生殖器に関わる病気の予防です🌠
また最近では一緒に生活しやすくなるように問題行動の抑制が期待されています(*・ω・)人(・ω・*)✨  メスでは、早期の避妊手術によって乳腺腫瘍の発生率を抑えられることが分かっています。精巣がお腹の中から外に出ていないオスやウサギさんのメスは、悪性に腫瘍化しやすいことが解っているので、比較的早期の手術をお勧めしています。

少しだけ理解しておくデメリットもあります。
それは、少し太りやすくなる傾向があることです💦
しかし最近では、カロリーコントロールされた術後フードを利用することで、サポートが簡単にできるようになりました🍴
また、手術は全身麻酔を使用しますが、予め術前検診を受けていただくことでリスクを減らし、より安全で適した麻酔管理を行っています。

不妊(避妊・去勢)手術をする時期は、当院では概ね6ヶ月以降を目安にしています。ただし成長には個人差もありますので、外来にて手術の時期や注意点等の相談をお受けしています。お気軽にご来院ください🏥

(ITO)  20190820

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避妊去勢手術

こんにちは。年末に近づき、避妊・去勢手術のご相談ご予約を受けることが多くなっています。そこで今回 当院での不妊手術についてお話しさせていただきます。

まず不妊手術のメリットは、
1) まず何といっても、望まない繁殖の防止。
2) 最近では、生殖器に関わる病気の予防効果が重要になっています。
(最近では問題行動の抑制が期待され、一緒に生活しやすくなるといわれています。)

A)メスの避妊手術について
メスでは、早期の避妊手術によって乳腺腫瘍の発生率を抑えられることが分かっています。また子宮に膿が溜まってしまう命に係わる病気を予防できます。高齢になって発病してからの治療はより負担がかかる為、若くて元気があるときに済ませておきましょう。実は、一括りに避妊手術と言っても、大きく分けて2つの方法があるのをご存知でしょうか?1つ目はホルモンの分泌を担う卵巣だけを摘出する方法、もう1つは卵巣と合わせて子宮を一緒に手術する方法です。当院では卵巣と一緒に子宮も手術する術式を選択しています。この術式で病気予防の確実性が高まると考えています。また近隣臓器の様子も同時に確認することができます。

B) オスの去勢手術について
オスの場合は前立腺肥大、腫瘍・肛門周囲の腫瘍、お尻のヘルニアなどを予防できます。.時々見られる精巣がお腹の中から外に出ていない場合、高率で悪性に腫瘍化しやすいことが解っています。この場合も比較的早期の手術をお勧めしています。メス同様に高齢期に入る前に手術をうけることをお勧めします。

当院での手術は予約制で予定日を決めてから 日にちに合わせて手術前検査を行い安全に手術を受けていただけるようにしています。末永く健康でいられますようにお手伝いさせていただきます。

(ITO) 20191130

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猫の尿石症について

今回は猫の尿路結石症についてお話しします。

尿路結石症は尿石症とも言われ、猫の泌尿器疾患の中で多い病気のひとつです。腎臓→尿管→膀胱→尿道といった尿路のどの場所に結石ができるかによって、その症状や緊急性は異なります。結石が尿管に詰まってしまうと、激しい痛みを伴うことが多かったり、尿道に詰まってしまい排尿できない場合も短期で命に関わってしまう状況になります。

どうして尿路に石ができてしまうのか?不思議に思われる方も多いかと思います。主に食事で過剰に摂取されたミネラル分が尿に出て長時間留ってしまったり尿が濃縮していたり、感染を起こすなどで結石が形成されます。

猫にみられる尿路結石で代表的なものは以下の3つになります。

①ストルバイト
5歳未満の若猫でも多く、マグネシウムを多く含んだ食事や尿濃縮、尿路の細菌感染などが原因となります。検査では結晶の多くは四角くカットされた宝石のようにも見えます。この結石は一度形成されても、食事療法で溶かすことが可能です。

②シュウ酸カルシウム
中~高齢の雄猫でも多く、ナトリウム、カルシウム、シュウ酸を多く含む食事やお水を飲む量が少なかったり肥満などの体質が原因のひとつとされています。検査では結晶の多くはピラミッドみたいに見えます。この結石は溶解することができないため一度大きく成長すると、外科的に摘出する必要があります。この結石に対応した食事の管理も大切になります。

③尿酸塩
上記2つの結石と比べて発生率は低いですが、この結石が存在する場合は何らかの基礎疾患を持っていることが多いため、さらなる診察が必要になります。

これら尿路結石症の予防には飲水量を増やすことが大切です。そうすることで尿量が増え、尿中の結石の成分も薄くなります。特に冬場は飲水量が減ったり、活動性が落ちたり、排尿を我慢する状況が続くため、より注意が必要です。またおやつで煮干しなどのミネラル分の多いものを多量にあげているのであれば、食事内容を見直す必要があります。

これら尿結石症の管理には対応した処方食が効果的です。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。(C) 20201012 続きを読む 猫の尿石症について

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犬の食事性アレルギーについて

こんにちは。
今回のコラムは、【犬の食事性アレルギーについて】です。

犬のアレルギーでよく見られるのは主にノミやダニのアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの3つのタイプとされます。

食事アレルギーは、人と同じように食事に含まれる成分に対するアレルギー反応のことを言います。一般的なアレルゲンは、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、乳製品、穀類(小麦、大豆、とうもろこし)などです。体内の免疫系が特定の成分を異物と認識し、それを排除しようとすることで炎症が起こります。そのため、季節に関係なく症状が生じます。

代表的な症状として皮膚の疾患が知られています。具体的には身体をかゆがる・脱毛する・慢性的な下痢や嘔吐・顔や耳の内側や股の内側に赤みが出ているなどが挙げられます。

治療としては、原因となっている食べ物を与えないことで症状は出なくなります。
食事アレルギーは、フレンチブルドック、柴犬、ダックスフント、チワワなどで好発しますが、どの犬種でも報告されています。
当院では、食事アレルギーの疑いがあるワンちゃんには血液検査によるアレルギー検査の外部発注も行っております。食事アレルギー以外にもそれぞれの子にあった食事の提案も行っておりますので、気になる方はご相談ください。

(Y) 20200927

 

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横隔膜心囊膜ヘルニア

今回は横隔膜心囊膜ヘルニアという少し珍しい症例が続きましたので、ご報告します。

これは一般的に生まれつきの病気になります。

お腹の臓器が胸部(心肺のエリア)と腹部(肝腎消化器のエリア)を分ける膜(横隔膜)を突き抜けて胸の中の心臓を包んでいる膜(心膜)の中に入り込んでしまっている状態の病気です。

心膜の中は、心臓とお腹から潜り込んできた臓器がギューッと押し合った状態になります。
ですので、疲れやすく呼吸が苦しく、開口呼吸や努力呼吸を行うことも多いです。

突然死を引き起こすことも多い病気で、大人まで育たないことも多いです。

診断はX線(レントゲン)検査を行うことが一般的です。

写真を載せましたが、普通なら横隔膜によってしっかりと分かれている腹部と胸部が繋がって見えます。

造影剤を飲んだ後に撮ると、普通ならお腹の中に映らなければいけない白い影が、胸の中の心臓と重なって見えるので、一目瞭然です。

今回は当院にて手術を行いとても元気にしてあげることができました。

心当たりの方、まだ検診を受けていない方、一度確認してみることをお勧めします。

引き続き健診プランも受け付けています。

お気軽にご相談ください。

横隔膜心嚢膜ヘルニア

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