カテゴリー: 猫
デンタルケアについて
お口の臭い、気になりませんか?
ワンちゃんネコちゃんは人と口腔内の環境が違うので、虫歯にはなりにくいのですが、歯石が付きやすく、歯周病になりやすいです。お口の臭いの原因が歯周病からきていることもあります。
ご自宅でのデンタルケアは歯周病から我が子を守る術。子犬・子猫の頃から、口の周りを触られることに慣らしていきましょう。
大人になってから挑戦する場合は、子犬子猫の時より許容してもらうのが難しくなりますが、根気よく続けて慣らしていきます。
指に巻きつけたガーゼや歯ブラシを使って、歯に付着した歯垢を落とし、歯石になってしまうのを予防できるよう、まずはお口を触ることから始めていきます。
歯垢や歯石の中には菌がいっぱい。
歯周病菌は周囲に炎症を起こして出血や痛みが出るだけでは無く、血流にのって全身を回り、主要臓器に影響を与たり、病気の原因となることもあります。
デンタルケアで歯垢は落ちても、すでに付着した歯石は除去できません。
ついてしまった歯石は、麻酔をかけて除去することが必要です。歯肉と歯の間の歯周ポケットもきれいにし、グラグラの歯があれば抜歯の必要があるため、どうしても麻酔が必要となります。
(麻酔をかける前には術前検査を行い、全身状態を確認させていただきます。)
歯の健康が健康寿命に影響しているのは、人と同じ。健康的に長生きする秘訣です。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
20240523 FM
肛門腺・肛門嚢炎について
ワンちゃんネコちゃんがお尻を床に擦りつけて、お尻歩きをするようなことはありませんか?
ワンちゃんネコちゃんの肛門の斜め下あたり、4時と8時の方向に肛門腺と言う分泌腺があり、袋状の肛門嚢に分泌物が溜まります。
排便時に分泌物が少しずつ排泄され、便に臭いをつけるようにできていますが、、、
中にはこってりと出にくいタイプの分泌物だったり、太っていたり、加齢で筋肉量が落ちるとうまく排泄できず溜まり過ぎてしまうことも。
溜まってくると違和感があって、お尻を擦り付けるような仕草をすることがあります。
溜まったまま放っておくと、細菌感染を起こして化膿してしまうこともあるので、溜まりやすい場合は定期的に絞ることが必要です。
肛門腺絞りは、特有の臭いがある分泌物が飛び散る可能性があります。
ご自宅で行う際はシャンプー前とかにチャレンジすることをお勧めしてます。
なかなか、うまくいかない時には診察時に処置できますのでお声がけ下さい。
トリミングでシャンプーしてもらう時にも行ってもらえます。
絞ったら血膿が出てきた、触ると痛みがある、ものすごく腫れている等の異常が見られた場合は化膿・炎症を起こしているので早めに受診してください。
20240502(FM)
多飲多尿
最近、暑くも無いのによく水を飲む。
おしっこの量がだいぶ増えた気がする。
こんなことありませんか?
フードやおやつを替えたり、お部屋の湿度が変化したり、思いあたることがあれば気にしなくても良いかもしれませんが、その程度にもよります。
動物達の中では、よく水を飲みたくさんおしっこをする事が病気のシグナルだったという事があります。明らかに増えたと感じた時はまず飲水量をチェックしてみてください。一般には気温や乾燥による乾きを省いて体重1kgに対して最低1日50ccの水分が必要とされます。ウェットフードを食べている場合は当てはまりませんが、1日に体重1キロあたり100ml(5キロの子で500ml)を超えてお水を飲む場合は明らかに多いので、ひとつの目安にしてください。
多飲多尿を引き起こす代表的な病気としては、腎臓や肝臓の病気、糖尿病、発熱、炎症、未避妊であれば子宮の病気、副腎や甲状腺のホルモンの病気などが要注意です。
外から見ただけではわかりにくく、エコー検査や血液検査で見つかる病気もあります。知らないうちにかなり進行してしまう場合もありますので、気になりましたら早めにご相談ください。
20240201 FM
タマネギ中毒
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
冬はお鍋が美味しい季節。
あったかいシチューもいいですね。
すき焼きや寄せ鍋等々、鍋料理にはネギがたっぷりと使われています。シチューにはタマネギがたっぷり。
ワンちゃんネコちゃんウサギちゃんが、ネギ・タマネギを食べると中毒を起こす可能性があるので要注意です。
ネギ類(ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク等)を食べてしまうと、ネギ類に含まれる香味成分『チオ硫酸化合物』により、赤血球が壊され、貧血を起こしてしまいます。
チオ硫酸化合物は加熱しても分解されないため、生じゃ無いから大丈夫は通用しません。
加熱調理したすき焼きやシチューの煮汁にしっかりと溶け出しているので、汁を舐めたり飲んだりするのも危険です。
主な症状は、貧血、吐き気、下痢、血尿、歯茎が白っぽい、フラつく、呼吸が速い、痙攣、症状が重い場合は命を落とすこともあります。
万が一食べたり飲んだりしてしまったら、すぐに受診を考えてください。
1時間以内なら吐かせる処置をします。
いつ食べたのかわからなかったり、時間が経ってしまった場合は毒素吸着剤や抗酸化剤を処方したり、水分補給の皮下点滴をします。
少量の場合は様子を見ても良いかと思いますが、かかりつけの病院と電話で相談してもらう方が良いですね。
症状が出るのは1-2日経ってからが多く、もしくはそれ以上日数が経過してから。
体重1kgあたりネギ5-10g以上摂取すると注意が必要で、たくさん食べるほど重篤になると言われていますが、明確な量は不明です。
個体の感受性によりけりで、食べてもへっちゃらの子もいれば、ほんのちょっと舐めただけでも中毒を起こすこともあるので、安心はしないでください。
寒い季節はもう少し続きます。
誤食にはくれぐれもご注意ください。
20240116 FM
冬季の健康チェック(血液検査)
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
冬至に近づくに連れ、夜がぐんと長く感じられます。
夜が長いと余計に鳴き声が気になり、夜鳴きの相談を受けることもあるのですが、環境の変化やストレス等飼い主様の思い当たることがなければ、一度血液検査を含めた健康診断を受けることをお勧めします。
痛みや不安、認知機能低下により夜鳴きが目立つこともありますし、中高齢のネコちゃんでは甲状腺ホルモンが出過ぎてしまう『甲状腺機能亢進症』という病気の可能性もあります。
前述したワンちゃんの甲状腺機能低下症の逆ですね。
(ワンちゃんでの亢進症は稀です。)
代謝を上げる甲状腺ホルモンが出過ぎることで見た目は元気なため、歳の割に元気なのよ〜と病気に気づかずに進行してしまうこともあります。
進行していくと、
・よく食べるのに痩せていく。
・水をよく飲みたくさんおしっこをする。
・落ち着きが無くなる。
・夜鳴きをする。
・攻撃的になることがある。
・毛並みが悪くなる。
・心拍数が速い、心雑音、心肥大。
・呼吸が速くなる。
・目がキラキラしている。
等々の症状が出てきます。
怪しい症状があれば、一般的な血液検査に加えて、甲状腺ホルモン値を測定し、基準値より高い場合は治療を開始します。
甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を毎日飲み、定期的な検査で薬の量を調整していきます。
また、慢性腎不全や高血圧症、心筋症を併発していることも多いので、他の病気がないか?の確認や治療も合わせて行っていきます。
内服は生涯必要ですが、うまくコントロールできれば、寿命を縮めることは無いです。
ただし他の病気も併発していると難しい場合もあります。
健康診断時の血液検査で病気が発覚することもありますし、飼い主様の観察が早期発見につながります。
気になることがあれば、早めにご相談ください。
20231215 (FM)
目のトラブル(角膜炎・ドライアイ)
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
12月です、寒くなって来ましたね。乾燥して冷たい風が吹くようにもなりました。
そこで目の大きなワンちゃん達はお散歩時にゴミが入らないように気をつけて下さい。また、ドライブで窓から顔を出したりご家庭のファンヒーターの前を陣取っているワンちゃん!目に塵がぶつかり角膜トラブルになります。お気をつけくださいね。
日々の診察でよく遭遇する目のトラブルは結膜や角膜の炎症です。
結膜炎は、白目の部分や瞼の裏側の痒み、充血、涙目、目ヤニ等の症状があり。ウイルス感染や細菌感染、ホコリや花粉等アレルギー物質が原因となりえます。自分で気にして擦り付けたりすると、『角膜』と言う黒目の表面を傷つけてしまうこともあるので、いつもと様子が違う場合は早めの受診を心がけて下さい。
角膜表面に傷がつくと、かなり痛みが出ます。
目を瞑ったまま過ごしたり、開きづらそうに目をシバシバさせたり、目ヤニが極端に増えたり。傷が深い場合は、炎症が目の奥にまで広がってしまうこともあるので注意が必要です。
受診の際、まず目に傷がないかの検査をさせていただき、必要に応じて抗生剤、消炎剤の点眼薬や軟膏を処方いたします。角膜表面の傷が見つかったら、さらに傷を早く治す点眼薬や内服薬を追加します。目が乾燥するドライアイが疑われる際には、先に涙の分泌量を測定して診断します。
目のトラブルは以外と進行が早いことが多く見受けられます。気になる症状があれば早めにご相談ください。
20231214 (FM)
猫白血病の予防
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
猫4種ワクチン(猫白血病含む)接種を再開いたしました‼︎
ウイルス性の猫風邪3種(ヘルペス、カリシ、パルボ)に加えて、【猫白血病】の予防が可能になります。
【猫白血病】は、主に野良猫の間で広まっているウイルス感染症です。
ネコ科しか感染しないので、人やワンちゃんが感染ることはありません。
猫白血病ウイルスは、院内で使用している一般的な消毒薬で死滅します。
しかしながら感染し、発症してしまうと貧血、免疫低下、口内炎、リンパ腫、白血病等さまざまな症状を引き起こし、命に関わる怖い病気です。
猫白血病ウイルスは感染したネコちゃんの唾液、血液、尿、便、母乳といたるところに存在し、ケンカや交尾、グルーミング、食器やトイレの共有、母子感染が主な感染ルートとなり得ます。
猫白血病ウイルス陰性のネコちゃんで、完全室内飼育であればその後感染することはないのでご安心ください。ただ、同居のネコちゃんが猫白血病ウイルス陽性の場合は白血病ワクチンが必要です。他に陽性猫との接種、まさかの脱走に備える意味で、予防を勧めしています。
すでにネコちゃんのいるご家庭に新しい子を迎える場合は、猫白血病ウイルス検査(ごく少量の血液で猫エイズウイルス検査と同時に検査します。15分ほどで結果が出ます。)が一般的です。
陰性であれば安心ですし、陽性の場合は悲観せず、今後どのように生活し備えていくかを考えていきます。
(子猫の場合感染の厳密な判断としては1ヶ月あけて2回の検査を行う場合があります)
猫白血病ウイルスに限らず、ワクチン接種の他に、外に出さない、ストレスをかけない生活を心がけることが感染症予防には大切です。
ワクチン接種をお考えの方はお気軽にお声掛けください。
20231116 FM
尿検査のすすめ
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
おしっこチェックしてますか?
近年、ネコちゃん用AIトイレも販売されており、忙しい飼い主様に替わって、泌尿器トラブルにいち早く気付ける便利グッズも増えてます。
尿は一緒に暮らすペットからの貴重な健康のバロメーター。
量や色、臭い、トイレに行く回数等、いつもと違うかも?と気づいたら、、、まずはおしっこだけでも持って来てもらえば、尿検査ができます。
血尿??細菌感染は無い?
結晶は出てる?pHは?
尿比重(おしっこの濃さ)や尿糖や尿中タンパクの有無等々を検査で確認します。
結果によっては速やかに来院してもらい、血液検査や画像診断が必要になることもありますが、なかなか病院に連れてくることができない場合や時間が取れない時は、取り急ぎ尿検査だけでも進めておくと診断の一助になります。
尿量はたくさんあればそれだけ情報量が多いのですが、液体の状態で1cc程あれば、ギリギリ全ての検査ができます。
入れ物は紙コップでもジャムの空き瓶でもプラスチックの容器でも構いません。
できるだけ新鮮な状態が望ましいので、休診日の前日の採尿は避けて下さい。
結果は10分くらいお待ちいただければ出揃います。
採尿の仕方や保管の仕方がわからなかったり、容器の準備が無ければ当院にご相談ください。
2023.9.28 FM
ペットも人も健康増進「運動」
川越市・さいたま市のアリス動物病院です。
夏休みが終わり、2学期に入りましたね。
体育祭や運動会、まだまだ暑いのですが、スポーツの秋がやってきました。⚽️🍁
以前、夏太りの投稿でも触れましたが、ワンちゃんネコちゃんは運動で痩せることはありません。
人と違って持続した有酸素運動ができないからです。
減量目的での効果は期待できませんが、適度な運動で筋肉量を維持したり、気分転換するのは、安静を指示されている場合を除いて、必要な生活の要素と考えています。
ワンちゃんなら朝晩のお散歩やドッグランでの活動。
犬種や性格、年齢に応じた運動を楽しんで下さい。
段差や坂道は足腰に負担がかかるので、関節炎の既往がある場合やシニアには注意が必要です。お散歩は平坦な道を選んであげてください。🐕🦺
ネコちゃんの場合は1日数回1回10分程度、おもちゃで遊んであげるといいです。何頭か一緒に暮らしている場合には、勝手に遊んでくれることが多いのですが、一頭だけの場合は飼い主様がスキンシップも兼ねて相手をして下さいね。
(注 遊んだ後のおもちゃはしっかりしまいましょう→誤食事故防止)🐈
・食欲や元気はあるけれど、今までできていたことが最近できなくなって来た。🤔
・運動を躊躇う。疲れやすい。動きがぎこちない、、、🥺
加齢に伴う衰えも考えられますが、病気や関節炎が隠れているかもしれません。気になる症状があればお気軽にお越しください。😊
20230921 FM